私たち「徳島県物産センター」というのは、文字通り、徳島の名産品・特産品を販売している会社です。地元のメーカー、生産者が結集して生まれた組織なので、日頃から徳島の特色については考える機会が多いですね。設立当初は観光客が集まる施設で、実店舗のみでの営業をしていましたが、2006年から経営方針を大きくシフトして、インターネット通販をメインに営業しています。
インターネットに舵を切る決断は、ある種の挑戦でもありましたね。「インターネットで物産なんて売れないだろう」という意見もたくさん出ました。地元のメーカーや生産者の皆さんにとって、インターネットというツールが、まだそれほど身近なものではなかったというのは大きかったと思います。ただ、あれから数年経ちましたが、少しずつ軌道に乗ってきたというのが実感ですね。実店舗営業だけでは生き残れなかったかもしれませんでしたし、いい選択をしたと思います。
広告は一切出していません。それでも、お客様が増え続けているというのは、やはり地道な作業の積み重ねが大きいと思います。こだわっているのは「徳島のいい商品」を発信し続ける、という点です。徳島には農産品をはじめ良い品が本当にたくさんあるのに、全国的な知名度がとても低いと思うんです。情報発信がうまくできていないなと。私たちの使命の一つは、その素晴らしさを、一人でも多くの方に知ってもらうことだと思います。
インターネット通販ですから、当然、お客様である消費者の方を向いていますが、同時に地元のメーカー、生産者の皆さんにも視線を向けています。せっかく素晴らしい商品や製品を作っているのに、売れる場所がない、機会がないという方々に、私たちのサイトを通じて全国のお客様に見ていただける場を提供したいと思っています。また、お客様からいただいた商品に対する要望や提案、改善点などは速やかにメーカーや生産者に伝えます。今、消費者はどんな商品を望んでいるか、どんな商品が売れそうかなど、生産者と消費者をつなぐパイプとしての役割も大きいと思います。
会社名に「徳島」と入っていますし、取扱商品はすべて「徳島」にこだわったものなので、Webサイトを立ち上げる時もドメイン名には「tokushima」という文字は必ず使おうと思っていました。それと、「.jp」にしようというのも初めから決めていました。当時は「ne.jp」でもなく「co.jp」でもなく、「.jp」というドメイン名が新しく使えるようになった時期で、いちばん短くて覚えやすいのではないかと思ったわけです。「.jp」は日本に拠点を持っていないと取得できませんよね。消費者向けのビジネスをしていく時に、そこは大きな安心感になると思いました。
今回の「都道府県型JPドメイン名」は、まさに私たちのような事業者にふさわしいサービスだと思います。例えば「物産.tokushima.jp」が取得できるとしたら、日本の中の「徳島」に拠点を持っている事業者、というのが伝わりやすいでしょうね。
例えば「すだち.tokushima.jp」や「鳴門金時.tokushima.jp」のように、徳島産のブランドをきちんと「tokushima」と関連させておくことで、そのブランドイメージはより強化されると思います。場合によっては、商品特設Webサイトのようなものを個別に作ってもいいですよね。また、私たちのようないわゆる販売の仕事でなくても、「阿波踊り.tokushima.jp」のように、イベントでWebサイトを立ち上げる時にも有効だろうと思います。
ドメイン名は、今すぐに使わなくても、取得しておいて損はないと思うんですね。特に荷物になるものでもないし、年間使用料もそれほど高くはありません。将来のために押さえておくというのも一つの考え方ですよね。以前、取得したいと思ったドメイン名が、別の企業に取得されていたことがあったので、こういうことは早く動かなければなりません。これからどのドメイン名を取得すべきか、検討しようと思います。
1995年、県内のメーカー、生産者らが合同出資して生まれた、株式会社 徳島県物産センターに入社。徳島産の名産品・特産品等を販売する店舗の店長に就任。その後、2006年にはインターネット通販事業を開始。Webサイトの運営統括責任者を兼務している。
徳島県物産センター http://tokushima-shop.jp/
※インタビュー特集の記事内容は2012年9月時点のものです。